2011/06/19

ロング・グッドバイ


ある男に押さえつけられ、その女に脇腹をハサミで切られた。
ナイフではなく、何故だかハサミで。
何もない僕の脇腹はブツンという嫌な音と共に、嫌な痛みが走る。

ショッキングな始まりであるけど仕方がない。

僕は脇腹を切られ、どう思い返してみても思い出せない2人の男女を相手にしている気分ではなかったので、その場を去る。

白いシャツに滲んでいる赤い血を隠すように手で塞ぎ、ホールデン・コールフィールドがやったように、周りに怪我を負っている事を気づかれないように、けど足取り重く、体を少し傾け、先へと進む。

頭の中ではbob dylanが歌い続ける。

やっとの事で家に戻り、バーボンのかわりに消毒液で消毒をした僕は、沖縄に行くためにトノを抱え飛行場へ向かう。
飛行場に行きチケットを受け取るところである事に気がつく。
トノ以外、何も持ってきてなかった。。
何故だかリンゴを齧っている僕は、頭の中で流れるbob dylanと、読みかけのロング・グットバイのおかげで、ハードボイルドな思考で物事を考える事に成功して、何事もなかったようにチェックインを済ませる。

無いものは買えばいい。

数分後、僕は、やっぱり全てを忘れた事に対して、不必要に必要なものを買わなくてはいけないことに、ハードボイルドになる事を諦めうんざりする。


結局のところ僕は目が覚める。



また夢を見た。

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