2011/05/12

フェット。

僕らはパーティーをやることにした。
と言っても町並みだけをみると、ここはパリ、、いや、パリの郊外の様だから、フェットと呼ぶ事にする。とにかく僕らはパー、いや、フェットの準備を始めた。

メトロの駅に出てたところにあったブロンジェリーでケーキを100個くらい買った。いや、もっと買ったと思うけど、そのブロンジェリーは途切れる事もなくケーキを出してきた。僕らは文字通り抱えきれないくらいのケーキを持って(そう、それでも僕らはどうにか運んでいた)、目的の建物に着き、ジェラルミンで出来たようなエレベーターに乗って目的地の階へとボタンを押した。
扉が開くとそこは、きっと100年くらい昔なんだろう、人も含め全てが、パリのアパルトマンの床の様な色合いの町並みが広がっていた。
僕らは当たり前の様にキオスクの横にあるカフェの様な場所で、フェットの準備を始めた。
迷路の様になっている大きなカウンターと、数えきれないくらいの椅子のない四角い机、そしてキオスクまで続く大きな立ち飲み用の大きな机。
そんな中、数えきらないくらいのショートケーキやチョコレートケーキやプロシュートなんかを、僕らはテーブルの周りに適当かつ美しく並べていった。
並べた後から、また別の誰かが、そのケーキ一本一本に丁寧にロウソクを立てていった。

準備が半分くらい進んだところくらいで人もだいぶ集まり、僕らの光景をというか、蟻のようなケーキの列を珍しそうに眺めていた。
ひととおり準備が終わったにも関わらず、僕はまだフェットを始めようとしなかった。
正確に言うと、僕はまだ始めたくなかったんだ。
何故だか分からないんだけど、きっと誰かを待っていたんだと思う。
大勢なのか、個人なのか、犬なのか、猫なのか、、とにかく思い出せないんだけど。。

ふと気がつくと、ケーキには火が灯され、何人かが(いや、結構大勢の人々が)ケーキを手づかみで取り、食べ始めていた。
僕は大声を張り上げ、皆にもう少し待ってもらえないかと言う事を説明した。
皆はとりあえず、僕の意見に賛同してくれて、ケーキを元の位置に戻し、伸びきったゴムの様な時間を待ち続けた。
ケーキを待っている間、そのフェットに来ていた著名人の人たちの呼びかけで、キオスクまで続く長いテーブルでサイン会が始まった。

中略

結局僕は新しいケーキを買えないまま会場へと走って戻った。
前と同じジェラルミンで出来たようなエレベータに乗り込み、階を押そうとしたとき、、僕はその場所が何階だったのか忘れてしまっていた。。
住所が書き込んであるはずの手帳を脱いだコートのポケットから探している間にもエレベーターはどんどん上昇していっている、、、僕は焦りながらコートのポケットを右から順番に探し続ける、、、、、、、、、、、、、、。

僕は直感で、ちゃんとフェットが始まっている事を知り、ホッとする。


そこで僕は目を覚ました。



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