2011/08/27

8/27



やっぱり晴れた。




2011/08/24

8/27,28


6/23 晴れ

僕は寝起きで相変わらずの二日酔いの頭を抱えたまま、彼女を眺めていた。

『おはよう。』
僕がそう言うと、背中を向けたまま彼女も同じ言葉を返した。

『これどう?』
彼女は相変わらず背中を向けたまま、肩がオシ
ロイバナみたいなワンピースを僕に向けて掲げた。

『んー、水色のやつかな?』

僕がそう言うと彼女はうなずいて、
新鮮なレタスの表面みたいに凹凸のある六月の晴れ間みたいに鮮やかな空色がベースのチェック柄のワンピースを選んだ。


7/15 晴れ

どこまでも晴れ。

僕はぼんやり彼女を眺める。
2,3日前に前髪を切り過ぎたと言って、僕の方をなかなか見てくれない彼女は、今日も背中を向けたまま真剣に洋服を選んでいた。
前にドレープのたっぷりあるワンピースを、真っ白いハンガーにきちんと掛け直して、彼女は僕の方に見せた(もちろん、前髪は見せてくれない)。
僕は、まだ太陽が出たばかりの冷たい空気に揺れているカーテンの様にしなやかに揺れている白いレースを選んだ。

それを手にとった彼女の、切り揃えられた前髪も同じ様に揺れた。


8/20 雨

『片付けの嫌いな神様がいてね、水のたっぷり入ったバケツを部屋中に置きっぱなしにしているの。そしてね、飼っている猫かなんかが片っ端からバケツをひっくり返してるのよ、きっと。』

真剣な眼差しで窓の外の土砂降りを眺めながら、彼女はそう言った。

土砂降りの眺めた後の彼女は少しだけ機嫌が良くなり、いつもより軽快なステップを踏みながら、彼女は洋服を選び出した。

彼女の選んだカーディガンを見て、僕はため息で飛んでいきそうなくらい軽くて薄いシフォンに行儀よく水玉の並んだ生地を選んだ。


8/27,28 たぶん晴れ

wallflowerに2012AWの新しいパターンと生地が
揃いました。
今回からメンズも少し始めました。

それに伴い、8/27,28日に僕もお店に立ちます。

壁の花になるお手伝いが出来たらと思っています。
興味のある方は是非お越し下さい。

wallflower by jun okamoto
〒860-0845
熊本県熊本市上通町3-21, 1F
096-223-5642

トノもいます☆




2011/08/06

扉。


扉と見ていると、パリのquincampoix通りに住んでいた時を思い出す。
そこには、どこかの伝説的な勇者が銅像になった時にみんなが揃って持っている盾みたいに大きく、その盾に必ずついている獰猛なライオンが牙を剥き、どこかの国で威張っている戦車みたいな深い緑色をした、大きな大きな扉があった。

両親はその扉を300年以上前の扉だとよく自慢していたが、
僕にとってはそんな事はどうでもよく、出かけるときは重いだけでうんざりするような扉だったんだけれども、
帰ってくる時には、大きな口を開けて出迎えてくれるライオンに僕はいつも『ただいま。』と言うようになり、当時フランスに連れてこられたばかりで学校の連中にも馴染めなかった僕には唯一の話し相手だった。

なんて事を、つるりとペンキを塗られた無感動な扉の前で立ったまま、不意に思い出していた。
彼女が閉めて出て行った扉を眺めながら、僕は酒を飲み彼女の帰りを待った。
どれくらいの時間が経っただろう?
彼女が出て行った時の暗く重く静まりかえっていた夜は明け、明るく生命力にあふれた朝を迎え、太陽はパリにあったライオンの扉みたいに高く登り、やがて沈んでいった。

僕は仕方なく扉に話しかけてみた。

『帰ってくるかな?』

『......』

その無感動なほどつるりとした赤ん坊みたいな扉は、当然だけど、何も言ってくれなかった。
ライオンの扉にさよならを言ってから、たくさんの時間が経ち、たくさんの扉が過ぎ去ってしまっていた。
僕はたまらなくあのライオンのついた扉を見たくなった。

僕は明日の分までため息をつき、つるりとした感触を確かめながら電話を持ち、彼女に電話をかけた。



彼の手にしている電話には、色々な動物の描かれている白いケースが付いていた。
けれど、ここにもライオンの姿はなかった。


という事で、僕がディレクションをしている熊本のセミオーダーのお店『wallflower』で販売しているiPhoneケースが通販出来るようになりました。

そして今、iPhone以外の16機種のスマートフォンを
対象にした受注会を行っています。
8/22までです。

詳しくはwallflowerのブログを見てください。

『かわいいケースってiPhoneばかりでつまんないわ。』

と思っていた貴女、この機会に是非。